平衡覚のセンサーは大きく分けて2つあります。卵形嚢、球形嚢からなる耳石系(主に重力などに対する運動や直線加速度を受け持つ)と、前半規管、後半規管、外側半規管からなる三半規管(主に3次元の回転加速度を受け持つ)の2つです。良性発作性頭位めまい症はこの両者に関係しためまいです。卵形嚢あるいは球形嚢から離れた耳石が半規管に入り込むことが原因で起こります。入り込むだけであれば比較的短期間で直りますが、入り込んで半規管に付着すると直るまで長期間かかることがあります。また、良性発作性頭位めまい症は、めまいの原因の過半数を占めています。
症状は特徴的で、起床時に頭を上げた時、寝返りを打った時、急に振り向いた時などに起きる回転性めまいです。めまいは通常、10秒以内、長くても数分間で消失します(減衰現象)が、同様の動きをするとめまいを反復します。反復している内にめまいは軽くなります(疲労現象)。聴覚には異常を伴わず、外側半規管機能も通常は正常です。聴神経腫瘍が表面上、良性発作性頭位めまい症の症状を起こすことがあります。見落としがないように注意することが必要です。